水資源の問題には仮想の水消費が存在します


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水資源の問題には仮想の水消費が存在します

仮想水とは、農産物・畜産物の生産に要した水の量を、農産物・畜産物の輸出入に伴って売買されていると捉えたものです。
工業製品についても仮想水はありますが、農業生産品に比べれば少量で問題にならないようです。世界の水の使用量の内訳は、工業に2割、生活に1割、残り7割は農業であり、農産物を生産するのに必要な水が圧倒的に多いのです。

世界的に水不足が深刻な問題となる中で、潜在的な問題をはらんでいるものとして仮想水の移動の不均衡が指摘されるようになってきました。
仮想水という概念は、例えば水資源量の少ない乾燥地帯の中東の産油国諸国が、石油の輸出で得られる外貨で食料を輸入することで、その生産に投入された水をも間接的に購入しているとの解釈ができます。
水自体の輸送は多大なコストを要するため現実的ではないものの、その最終産物を輸入することで同様なことを現実的なコストで得ているということです。その分、本来必要としている水量を、実際に供給しない仮想量を消費しているということになります。

日本は食料自給率が低く、世界最大の農産物輸入国です。このためそれは、食料輸入という形で大量の仮想水を輸入していることになります。
そしてそこに問題があるのは、食料輸出の形で仮想水を輸出する側の国は必ずしも水資源に余裕があるとは限りません。アジア諸国の工業化の遅れた国では、主要な産業は農業等の第一次産業となり、必ずしも豊富とは言えない水資源の元で生産された農産物を外貨獲得のため輸出せざるを得ない状況となっているケースが多いことになります。
これは、人口増加とともに深刻化する水問題のなかで、豊かな国へ仮想水が集中する傾向になります。
日本の仮想水輸入の量は年間で数百億から千数百億トンと見積もられています。日本で使用される工業用水は年間130億トン程度であり、工業品輸出はこれを相殺するに至っていないということになります。
日本が輸入する仮想水のうち6.8%は、世界で枯渇が懸念される地下水であり、仮想水の最大輸入国のアメリカの地下水の仮想的な使用量がもっとも多いとされています。

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