現代の水問題において、水メジャーに代表される国際資本と後進国地域の矛盾軋轢を露呈させた事件に、「コチャバンバ水紛争」があります。
これはボリビアのコチャバンバで2000年1月から4月にかけて発生した一連の大衆抗議運動で、水道事業の民営化が阻止された事件です。
コチャバンバでは、1967年より世界銀行の主導によって、公営だった上下水道事業が民営化されました。この民営化された会社が、水道料金の大幅な値上げを行なったことをきっかけとして、これに抗議する大規模な大衆運動が発生しました。
労働者組織、人権問題指導者たちの先導でのストライキが発生し、コチャバンバの町は機能停止に陥り、一部には抗議行動による革命のような暴動状況もありました。
その結果、民営の水供給会社は事業撤退を表明し、ボリビア政府も最終的に抗議者たちの主張を全て受け入れざるをえない結果になりました。
コチャバンバの大衆運動の指導者たちは、宣言文で、以下のような主張を世界に発信したのです。
1.水は大地と全ての生物のものにして神聖にして犯す事ができないものであり、全世界の水資源は温存され、営繕され、保護されて子孫に伝えられ、その自然の状態が尊重されなければならない。
2.水は人間の基本的な権利であり全ての政府機関によって公共性が保証されなければならない。すなわち、金儲けの手段になったり、民営化されたり、商業的に取引されてはならない。この権利は全ての政府機関で尊重されなければいけない。
3.水は地域社会と地域住民によって守られることが望まれ、この地域住民は水の保護と調整の上で政府と同じ重要性を持たされなければならない。世界の中の地域住民こそ、地球の民主化を促進し、水を守るための原動力なのである。
このコチャバンバの紛争は、1980年代から1990年代にかけてアメリカ合衆国がラテンアメリカなどの諸国において進めてきた新自由主義経済モデルに対する、初めての拒絶行動で、経済の自由化や民営化、特に水資源の民営化に対する反対運動であり、現代の世界の水資源のあり方に大きな示唆を与えています。
以降の世界的な影響もあり、日本の水道の民営化に対する反対論の根拠にもなっています。
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